コレステロールを下げるためにはどんな食べ物を選んだらいいのか。毎日の食事で気をつけたいメニューの決め方などを具体的にまとめました。
健診でコレステロール値が高いと指摘される人は多いようです。毎日何をどう食べたら効果が出るのか、なかなかわからないですよね。
食事療法は最大の改善策と聞きます。まず食事の摂り方を三段階に分けて進めてみます。
もくじ
効果をあげる食事療法の3ステップ
- 第一段階「何を食べ、何を控えたらいいのか」を知る。
- 第二段階「毎日のとり方・実践」
- 第三段階「継続できる工夫をする」
それぞれ段階を踏みながらやってみましょう!
【第1段階】どんな食べ物を選び、何を控えたらいいのか
まずは控えたいものからお話します。量より質がポイントとなります。避けたい食品でも調理の仕方次第で改善できるものもあるので、あれもダメ、これもダメとがっかりすることなく、できるだけ食卓に上る回数を減らしたり、量を減らすなどの工夫で乗り切れますので基本の知識として「避けた方がいいんだなぁ〜」とまずは知ってくださいね。
控えたい食べ物
コレステロール含有量が多い食品
- 魚卵(イクラ・たらこ・すじこ・白子・うに)
- 内臓肉(レバー・鶏の砂肝)
- うなぎ、ししゃも、
- 卵、マヨネーズなどの卵を使った加工食品
- 乳製品(チーズ、バター)、肉とその加工品(ハム、ソーセージ)
また、
- 甘いお菓子、生クリームがたっぷりのケーキ
高エネルギーの上に脂肪と糖質を同時にとるため、お互いに吸収しあい中性脂肪をあげます。
- 甘い飲料水、サイダーやコーラなどの炭酸水。
水分のため糖分の吸収が早く、飲みすぎることで中性脂肪をあげます。
- 「飽和脂肪酸」
肉の脂身(ラード)、バター、チーズ、牛乳などの乳・乳製品に多く含まれています。
バラ肉、ひき肉、ソーセージなども飽和脂肪酸が多く含まれるので食べる量や回数をなるべく減らすようにしましょう。
例えば、豚バラ肉の料理は時間が経つと、白い脂の固まりがべったりついていた経験はありませんか?そういった脂は人の体の中に入った後、血管内で固まりコレステロールや中性脂肪を増やします。
「常温で固まる脂」はNGと覚えておきましょう。
- トランス脂肪酸
マーガリンやショートニングなどに含まれる菓子パンなどの材料表示をチェックしてみるとほとんどの商品がそれらを使用しているのがわかります。LDL−コレステロールを上げてしまう、できるだけ避けたい食べ物です。
また、
ご飯、パン、麺類などの炭水化物を食べ過ぎたり、重ね食べなどは要注意。
中性脂肪を増やし、善玉コレステロールを減らすことになるので糖質の過剰摂取はNGです。
- 食べ過ぎない。(過食)
- 早食いしない。
のように、食べ方にも気をつけましょう。
卵はとったらダメなの?
コレステロールの高い食品といえば「卵」が有名ですね。重量あたりの含有量が多九、M玉1個あたり約210mgあります。
高コレステロールを改善するためには
1日のコレステロール摂取量は300mg以下が目標です。
そうなると卵一個とるだけで210mgもとってしまうとオーバーは目に見えていますね。
とはいえ、卵は良質なタンパク質やリン、カルシウムや鉄などのミネラル、ビタミン類などがバランスよく含まれた非常に優れた食品。
食べないのではなく、食べる量や回数を工夫して摂ることで解決します。
例えば、2日に1個にするとか、1週間で3個までにするなど。
また、コレステロールのほとんどは卵の卵黄に含まれていて卵白にはあまり含まれていません。(※卵黄100g中140mg、卵白100g中1mg)
さらに卵白には良質なタンパク質が豊富なので、うまく卵白だけを使うのも一つの手です。
コレステロールを下げるために食べたい物
常温で固まらない油を選びます。
- 青背の魚の油やごま油に多く含まれる「多価不飽和脂肪酸」。
- オリーブ油やキャノラー油などの「一価不飽和脂肪酸」。
それぞれ補足すると
「多価不飽和脂肪酸」
青背の魚・大豆油・ごま油・コーン油・シソ油・亜麻仁油・エゴマ油など
「一価不飽和脂肪酸」
オリーブ油・キャノラー油など
抗酸化力のある食品
野菜・きのこ・海藻類など
βカロチンやビタミンC、Eなど抗酸化物質が多く含み、血管内にだぶついたコレステロールの酸化を食い止めます。特に野菜はビタミン、ミネラルの宝庫なばかりでなく、食物繊維、ポリフェノールなども豊富。できたら毎食摂りたい食べ物です。
大豆製品
納豆・豆腐など
大豆製品も抗酸化作用があるのでおすすめ。
【第2段階】毎日のとり方・実践
LDL−コレステロール値を下げるための食事のとり方
- 食事の量を適正にする
- コレステロールの多い食品の摂取を減らす
- 油脂類の量と質を正しくとる
- 食物繊維をたくさんとる
悪玉LDL−コレステロールを下げると同時に中性脂肪を下げることで善玉コレステロールを上げることができます。そこで…
中性脂肪を下げるための食事のとり方
- 腹八分目にする
- 甘いものを控える
- 脂肪の摂取量を控え、種類を選ぶ
- お酒は控える
中性脂肪をつくのを予防も大事です。
具体的に役立つ食生活の実践方法
コレステロールを下げるために実際にどう普段の食事で取り入れていく方法をお話します。
1.食事の量を適正にする
食べ過ぎないこと、腹八分目にすることは最大と言っていいほど大事なポイントです。
それには自分の適正な食事量は把握しておきたいもの。計算方法は下記方法を参考にして算出してみてください。
適正な食事量の計算方法は
1日に必要なエネルギー量(kcal)=
標準体重 × 標準体重1kgあたりに必要なエネルギー量(kcal)
標準体重の計算方法は
標準体重(kg)=
身長(m)×身長(m)×22
標準体重1kgあたりに必要なエネルギー(一例)
- 安静状態、お年寄りなど 20~25kcal
- デスクワーク、事務 25~30kcal
- 外回り営業、店員など 30~35kcal
- 農業、漁業、建設作業員など 35~40kcal
2.コレステロールの多い食品の摂取を減らす
コレステロール含有量の多い食べ物をなるべく避けましょう。
肉調理の時には皮を取り除くなどして工夫が必要です。
目安としてコレステロールは動物の体内に多く含まれていて、植物性の食品はコレステロールはあまり含まれていないと考えて大丈夫です。
(または200mg以下それぞれの状態による)
3.油脂類の量と質を正しくとる
常温で固まる脂は避け、青背の魚の油や、オリーブ油、エゴマ油などの油を適量使いましょう。食材に含まれる油脂類は調節しにくいので調理で使う油で控える工夫をするとわかりやすくなります。
炒める場合に
- 油を引かなくて済むフッ素樹脂加工やセラミック加工のフライパンを使う、
- 材料は大きめにカットし、油に触れる面積を減らし表面につく油の量を減らす
- 先に下ゆでやレンジで加熱し、炒める時間を短縮する
- 蒸し焼きにするなど
4.食物繊維をたくさんとる
食物繊維は血液中のコレステロールの吸収を抑える作用もあり、腸内のコレステロール自体も絡め取って体外に排出する性質もあるため毎日欠かさずとりたい食品の一つです。
不溶性と水溶性の2種類ありますが、水溶性食物繊維が作用が強いといわれています。(野菜、海藻に多い。)
水溶性食物繊維
カリフラワー、ブロッコリー、切り干し大根、人参、ごぼう、オクラ
昆布、わかめ、ひじき、寒天、など。
成人男性 26~27g 成人女性 20~21g
第三段階「継続できる工夫をする」
無理なく毎日の食事に取り入れるためには楽しくシンプルにする必要があります。
難しく計算ばかりしないと食べれないのは辛くて長続きはしませんよね。
血管を丈夫にする食事を挫折せずに摂るには「食事の記録ノート」を作って
何をどのくらい食べたか記録するのがおすすめです。
記録する項目は
日 | 体重(kg) | 体脂肪率(%) | 食事内容 | 食材チェック |
朝
昼 晩 間食 |
⬜︎青背の魚
⬜︎野菜 ⬜︎大豆製品 ⬜︎海藻・きのこ |
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毎日何気なく食事を取っていると気づくことがなかなかできません。何をどのくらい食べたかも忘れがち。朝は何をどのくらい食べたか、間食は何など記録することで、野菜を最近食べていないなぁとか、食材が同じようなものが続いているなど発見できます。
またうまく達成できたらシールを貼るなどして楽しんで記録することでモチベーションアップにもつながります。また、SNSにアップしたりなど、ぜひ一度自分なりの楽しみ方見つけてくださいね♪
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